おたくキャラの皮をかぶったおたく
わたしにはツイッターアカウントが八つある。だからこのハンドルネームにした。
いくら最近複数アカウントを持つのが普通だからって、これは多すぎるほうだとわたしも思っている。しかしこの一週間でつぶやいたことのあるアカウントは合計5つ。あとのみっつも必要なアカウントなので、特に消す予定はない。
わたしがアカウントを複数持つ理由は簡単だ。それに慣れているからだ。
最近ツイッター界隈であったプロブロガーとブルーアイズ高卒ドラゴン氏をとりまくリア充ツイッタラ―とおたくツイッタラーの抗争(というと語弊があるのかなあ)。
高卒ドラゴン氏の家が燃えているあたりからファンだった私は、いいぞ高卒ドラゴン!!いけっ高卒ドラゴン!!!みたいな気持ちでなりゆきを見守っていた。(ちなみに高卒ドラゴン氏が宮森氏との対談(?)を終えた後のツイキャスもしっかり聞いた)
その後に高卒ドラゴン氏が挙げたブログを読んでからというもの、ネット社会の変化について考えることが増えた。
このブログの中で高卒ドラゴン氏が名付けた「ネイティブインターネットモンスター」に私は該当すると思う。パソコンできないけど。
よってこのキラキラアイコンでおたくの話をするのは非常に居心地が悪い。初回必読を読みダミーエンターを避け踏み逃げ禁止で毒舌ネットマナーに育てられたわたしは、おたくとは隠すもの・隠れるものだという概念が染みついている。
それが大学生になった頃くらいからだろうか。おたくを公言する女子が増えた。
芋芋しい高校時代を過ごしたわたしは大学デビューに憧れるキョロ充だった。オタクがキャラになる時代。10数年前には信じられない時代。
とりあえずわたしはおたくであることを告白した。大学でのわたしは元気でちょっと頭のおかしいおたくキャラになった。わたしのおたくはそんな簡単にキャラにできるような生半可なものではない。よくわからない第一世代おたくというプライドを持った(?)わたしは混乱しながらも、もともとコミュニケーション能力はまあまあある隠れおたくだったので、本来のぬめっとしたおたくの部分は隠しながらおたくキャラになることに成功してしまった。おたくキャラの皮をかぶったおたくの誕生だ。
自分の中に歪みが生じた。ついていけない。
全盛期には毎日1000回以上カウンターが回ったテキストサイトの管理人のわたしが心の中で叫ぶ。検索避けは!?俺たちの毒舌ネットマナーは!?!?!?
増えていくツイッターアカウント。リアルとネットは区別しなければならない。おたく用アカウントも、おたく用裏垢も、リアル垢もリアル裏垢も外国用垢もニュースに言及できるまじめなアカウントも、ネット社会を生き抜くためには必要だ。ネットをなめてはいけない。
いまのこどもたちは簡単にオタクになれる。荒らしに叩かれ、大人に注意されることもなく、ネット社会のルールも知らないまま簡単に黒歴史を残してしまう。
それもただの黒歴史じゃない。リアル世界に直結したものだ。
わたしはそれを、かわいそう、だと思っていた。
でもそれは第一次ネットモンスターとしてのエゴで、実際いまの社会観念には不適合なのかもしれない。
ネットとリアルの境界線。わたしにもそれを薄めることはできるのだろうか、と疑問に思いながら、キラキラ実物アイコンに昔風のハンドルネームを乗せてこの記事を綴ってみた。もうアカウントは増やさない。